いろいろ教えてもらったけど、僕は免税事業者だから、消費税は知らなくていいってことになりますよね~。
そんなことないわよ。今のうちにしっかり勉強してね。ねぇ、修くん。そもそも消費税ってどうやって納付税額を計算するんだと思う?
えっ?売上げに8%かければいいんじゃないんですか?
もう。今まで何聞いてたのよ。Lesson 1のコーヒーカップの例を思い出して。すでに自分が支払った消費税は差し引くことができたでしょ。だから単純に売上げに8%かけるだけじゃダメよ。損しちゃうわよ。
あっ。そうか~。
あのー。いまさらですが、売上げって、カフェのお客さまからもらった金額ってことでいいんですよね?
ざっくりいうと、そういうことになるわね。厳密には、物を売った金額はもちろん、物を貸したり、サービスを提供したりする行為も指すのよ。だから、一般的に言う売上高より範囲が広く、たとえば、事業用の自動車や備品を売ったときの収入も売上げに該当することになるのよ。
実は、“売上げ”や“仕入れ”の中には消費税のかからないものがあるので注意してね。例えば、土地や商品券を売ったりしても消費税の計算では売上げから外すことになるのよ。これを“非課税取引”と呼びます。
そうなんですね!
では、仕入れを見ていきましょう。修くんのお店で日々仕入れているものには何がありますか?
コーヒー豆やお店で出すサンドイッチのパンや具材が該当しますよね?
そうね。あと、今年は、テーブルやいす、食器とかいろいろ買ったでしょ。それから、チラシも配っていたじゃない?そういうものもここでは“仕入れ”に該当することになるのよ
消費税が課されるか、課されないかについて、実際の運用にあたっては細かな取決めがあるものなので、『これはかかる』、『これはかからない』と一言で言い切れるものではないの。だから具体的に項目があがったら改めて聞いてね。
はい。即ご連絡します。真知子先生、頼りにしてます!
修くん。システムキッチンにこだわってたみたいだから、初期投資、結構かかったんじゃない?今年の修くんのように、仕入れにかかる消費税が多くって、売上げにかかる消費税の金額を超えてしまうような場合には、その分の消費税が還付されるの。
えっ!戻ってくることもあるんですか!すごい!
ただ、免税事業者であれば、そもそも消費税の申告や納税をする義務がないわけだから、当然還付も受けられないのよ。“免税”だからって喜ぶことばかりではないの。注意してね
では改めて、消費税の納付税額の計算を確認しましょうか。もう何年もしないうちに、2号店をだせるかもしれないし、売上げも1,000万円を超えるでしょうから、そのときを想像しながら計算してみましょう!
はい。お願いします!
では、ざっくりですが、以下の例を見てね。
売上げの中に含まれている消費税の額は…。
仕入れに含まれている消費税の額は…。
ということは…、120万円から56万円を引いた64万円が納付税額になるんですね!
そのとおり!だんだんわかってきたわね。納付税額の計算方法は、課税期間の課税売上割合が95%未満だと、また違う計算方法になるんだけど、今の修くんには難しすぎるのでまたいつかね。
Lesson.1 | 消費税はどんな仕組み?-最終購入者が負担するもの!- |
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Lesson.2 | 課税事業者と免税事業者-キーワードは「1,000万円」!- |
Lesson.3 | 消費税がかかるもの・かからないもの-土地の譲渡や貸付けにはかからない!- |
Lesson.4 | 税額の計算方法-払った消費税は差し引ける!- |
Lesson.5 | 簡易課税制度-消費税額を簡単に計算できるスグレモノ!- |
Lesson.6 | 価格表示-税抜価格は2021年3月31日までOK!- |
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